発熱検証レポート『GALAXY J・Note3&ARROWS NX』

購入者の口コミや展示機レポートでよく目にする『スマートフォンの発熱』について、実際にどの程度の影響があるのか2013年冬モデルで簡単に検証しましたので、その結果の一部ご紹介します。

なお、本検証のような「スマホを充電しながら高負荷状態に保つ」という使い方は、端末温度の上昇および低温やけどのリスクを伴います(※)のでご注意ください。
※各機種の取扱説明書にも明記されています。例)GALAXY Note3取扱説明書(P.16)

1. Galaxy J SC-02F(Galaxy Note3 SC-01F)でのベンチマーク連続実施結果

スマホを高負荷状態で保つ手段として、今回はAntutuベンチマークの連続実施を行いました(室温は約25℃)。実施回数毎のスコアおよびバッテリー温度・表面温度の推移をご紹介します。

なお、Galaxy JとGalaxy Note3は殆ど同じ結果でしたので、今回はSC-02Fの結果を掲載します。

■Antutuベンチマーク実施前

ベンチマーク実施前のGALAXY J SC-02Fバッテリー温度

バッテリー温度は29.8℃。本体表面も冷たさを感じるレベルです。

■Antutuベンチマーク1回目

Galaxy J SC-02F Antutuベンチマーク1回目

1回目のベンチマークスコアは34506で、バッテリー温度は32.6℃。本体表面は背面カメラ周辺がやや暖かくなりました。

■Antutuベンチマーク2回目

Galaxy J SC-02F Antutuベンチマーク2回目

ベンチマーク2連続目では、スコアは32491にダウン。グラフィック以外の性能が10%前後低下しています。

バッテリー温度は35.3℃と負荷条件の割に良好ですが、カメラ周辺部およびタッチパネルの画面上部付近は、はっきりと発熱を感じます。

■Antutuベンチマーク3回目

ドコモ ギャラクシーJ SC-02F Antutuベンチマーク3回目

3連続目ではスコアはさらに少し下がって30800となりましたが、相変わらず2D&3Dグラフィックは高パフォーマンスを維持しています。

バッテリー温度は37.7℃で、カメラ周辺やタッチパネル(画面上部付近)は軽く40℃を超えます。

■Antutuベンチマーク4回目

ドコモ ギャラクシーJ SC-02F Antutuベンチマーク4回目

4連続目のスコアは29582で、3回目との差は1000程度です。2Dグラフィックの性能はベンチマーク1回目から全く下がりませんね。

■Antutuベンチマーク5回目

ドコモ ギャラクシーJ SC-02F Antutuベンチマーク5回目

実施5回目のスコアは28838。

バッテリー温度は40.2℃と安定動作の範囲ですが、表面はかなり高温になりました。特に気になるのは「側面の音量ボタン」「背面カメラ周辺の金属部分」「タッチパネルのガラス表面(画面上部)」といった、手に熱が伝わりやすい材質の部分です。

■Galaxy J SC-02F(Galaxy Note3 SC-01F)結果まとめ

・気温約25℃の環境で、ベンチマークを5回連続実施(≒最大負荷状態を約15分キープ)
・スコアは5回目でも28000以上で、多くの2013年夏モデルの最高スコアを上回る
・バッテリー温度は29.8℃⇒40.2℃まで上昇するが、安定動作圏内
・本体表面では下記部分の発熱が大きい(最高50℃程度)

Galaxy J SC-02Fの発熱部位
画像出典:価格.com「GALAXY J SC-02F docomo Satin White」

2. ARROWS NX F-01Fでのベンチマーク連続実施結果

さて、次に同条件での測定をARROWS NX F-01Fで実施しました。 

■Antutuベンチマーク実施前

ARROWS NX F-01F ベンチマーク実施前の温度

開始前のバッテリー温度は29℃で、Galaxy J SC-02Fと同等です。表面にも熱を感じる部分はありません。

■Antutuベンチマーク1回目

ドコモ アローズNX Antutuベンチマーク1回目

ベンチマーク1回目のスコアは33666で、バッテリーは35℃。表面は本体背面(中心付近)が少し暖かいレベルです。

■Antutuベンチマーク2回目

ドコモ アローズNX Antutuベンチマーク2回目

2連続目でベンチマークスコアは2000程度ダウン。バッテリー温度は38℃で、表面は本体背面の中央部が最も高温です。

■Antutuベンチマーク3回目

ドコモ アローズNX Antutuベンチマーク3回目

3連続時のベンチスコアは29374。バッテリー温度は39℃まで上昇し、背面の中央付近にはハッキリと発熱を感じます。

■Antutuベンチマーク4回目

ARROWS NX F-01Fベンチマーク4回目

4連続目ではベンチマークスコアは一気に落ちて25118に。バッテリー温度は41℃で、背面の熱さは先程から特に変化がありません。

■Antutuベンチマーク5回目

ARROWS NX F-01Fベンチマーク5回目

5回目のスコアは24584で、バッテリーは41℃をキープ。

4回目⇒5回目の変化は小さく、スコアが若干低下したもののバッテリー温度・表面温度は変わりません。Galaxy J SC-02Fのようなタッチパネル表面やボタン部分の発熱は無く、背面中央付近が45℃程度となっています。

■ARROWS NX F-01F結果まとめ

・気温約25℃の環境で、ベンチマークを5回連続実施(≒最大負荷状態を約15分キープ)
・スコアは5回目には24500まで下がり、2013年夏のARROWS NX F-06Eの最高スコア同等になる
・バッテリー温度は約40℃まで上昇するが、その後安定
・本体表面では下記部分の発熱が大きい
 
ARROWS NX F-01Fの発熱部位

3. Galaxy J SC-01FとARROWS NX F-01Fの結果比較

下記は、各機種のベンチマーク実施回数毎の「ベンチマークスコア」「バッテリー温度」「各値の変化量と変化率」の一覧です。

■Galaxy J SC-02F

実施回数 実施前 1回目 2回目 3回目 4回目 5回目
ベンチスコア - 34506 32491 30800 29582 28838
スコア低下 - - 2015 1691 1218 744
スコア低下率 - - 5.8% 5.2% 4.0% 2.5%
バッテリー温度 29.8℃ 32.6℃ 35.3℃ 37.7℃ 39.4℃ 40.2℃
上昇温度 - 2.8℃ 2.7℃ 2.4℃ 1.7℃ 0.8℃
温度上昇率 - 9.4% 8.3% 6.8% 4.5% 2.0%
本体表面温度 約26℃ - - - - 約50℃

■ARROWS NX F-01F

実施回数 実施前 1回目 2回目 3回目 4回目 5回目
ベンチスコア - 33666 31646 29374 25118 24584
スコア低下 - - 2020 2272 4256 534
スコア低下率 - - 6.0% 7.2% 14.5% 2.1%
バッテリー温度 29℃ 35℃ 38℃ 39℃ 41℃ 41℃
上昇温度 - 6℃ 3℃ 1℃ 2℃ 0℃
温度上昇率 - 20.7% 8.6% 2.6% 5.1% 0%
本体表面温度 約26℃ - - - - 約45℃

スコアの推移比較

バッテリー温度の比較

表面温度の比較

似たような部品を採用する同世代のハイスペックモデルでも、メーカーによって高負荷時の制御が大きく異なります。今回の例では、
・長時間の使用で表面が高温になるが、高パフォーマンスを保つGalaxy J SC-02F&Galaxy note3 SC-01F
・高負荷が続くとパフォーマンスが低下するが、表面温度上昇は抑えるARROWS NX F-01F
といった違いが確認できました。

ARROWS NX F-01Fのパフォーマンス低下は体感ではっきり分かりますし、一方でGalaxy J SC-02Fの表面温度は不注意による低温やけどのリスクを高めます。
※詳しく知りたい方はniteの『低温やけどの事故防止について』辺りをご参照ください。

どちらが理想的なのかは難しい部分で、ユーザーの使い方や好みによって意見が別れそうですね。

なお、バックグラウンドでアプリが複数動作している状態で「Youtubeの動画再生」「輝度最大でのテレビ視聴」といった動作でも同じような検証は可能ですので、スマートフォン高負荷時のパフォーマンス低下や発熱が気になる方はお試しください。

追記⇒Xperia Z1 SO-01Fの結果を掲載しました 
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